ヘチマを育てよう!大きく育てるにはどんな工夫をすればよい?
夏休みが終わって学校にくると、学校の畑に大きなヘチマの実がぶら下がっているのを見たことはありませんか?大きなヘチマの実は1m近くまで成長することがあります。そんな大きなヘチマの実を育てるには、どのようなことに注意して栽培すればよいのでしょうか。
種は暖かくなった5月の初めごろにまきます。芽が出るための温度が25℃と高いので、苗を育てるポットにまいて、日の当たる暖かい場所に置きます。芽が出て、本葉が2、3枚出てきたら畑に植え替えをします。この時期にはヘチマの苗を市販しているので、うまく苗が育たない場合は購入して植えてもよいでしょう。
植え替えをする畑は、前もって堆肥を混ぜてよく耕します。そして、ヘチマを絡ませるための棚を準備しておく必要があります。竹や木の棒で棚を作ってもよいのですが、大きなヘチマができた時に倒れてしまう場合もあります。簡単な方法はキュウリ栽培用の鉄パイプを組んで棚を作る方法です。ホームセンターなどで販売しているので、作り方をお店の人に聞くと良いでしょう。また、棚を作ることができないときは、フェンスなどに絡ませて栽培する方法もあります。
夏になるとヘチマはぐんぐん大きくなります。ヘチマは昼と夜のどちらが大きく育つと思いますか?正解は夜なのです。もちろん、昼も成長しますが、夜の方が大きく育つことが分かっています。このように昼も夜も成長しているヘチマは、朝晩たっぷりの水をあげることが大切です。
大きくなったヘチマは黄色い花を咲かせます。ヘチマには雄花と雌花がありますが、雄花の花粉が雌花のめしべに十分につかないと大きな実がなりません。形が変に曲がっている小さいヘチマの実は、花粉が十分についていないことが原因なのです。そこで、綿棒をつかって人の手で花粉をつけてあげます。これを人工授粉といいます。
見事に大きなヘチマの実を育てることができたならば、ヘチマたわしを作ってみましょう。少し茶色くなったヘチマの実をとって、水の中に3週間程つけておきます。果皮や果肉の部分が腐ってくるので、取り除くとヘチマの実の繊維だけが残ります。においが強いのでゴム手袋があるとよいでしょう。うまく繊維だけが残ったら、最後に漂白液に1日つけた後、よく水洗いします。お風呂で、自分が作ったタワシを使って体をこするのは楽しそうですね。
明治図書「理科がもっと面白くなる科学小話Q&A100 小学校中学年編」 2002年11月 Hideyuki Miura