ジャガイモを育てよう!たくさん収穫するにはどんな工夫をすればよい?


 6年生の理科の勉強で、ジャガイモを育てる計画を立てた人もいると思います。実験や観察をしながらジャガイモを育てていくわけですが、せっかくですからたくさん収穫してみんなでジャガイモパーティーをしませんか。農家の方々は、たくさん収穫できるように様々な工夫をしています。その中から、小学生の皆さんでも簡単にできる栽培のコツを紹介します。

 まず、種イモ選びです。腐っていたりカビが生えていたりしていないものを植えます。ジャガイモには様々な品種があるので、3月下旬から4月上旬にかけて種苗店に行き、その地方にあっている品種のものを聞いて購入するのがよいでしょう。大きい種イモならば、半分に切って使ってもよいですが、数に余裕があるならばそのまま植える方がよいでしょう。切る場合は、切り口を23日陰干ししてから植えつけます。

 次は畑作りです。ジャガイモは土の中にできるので畝を広くとることが大事です。種イモを植える1週間前に、畑に堆肥を入れてよく耕します。うね幅は6070cmなるように し深さ10cmの植え溝を作ります。株と株の間は30 40cmとし、種イモを切って並べます。種イモと種イモの間に、堆肥をひとつかみ程度置いて、7〜8cm程度の土をかぶせます。

 2週間程度たつと、芽が出てきます。芽が10cm位になったところで、23本残して、後の芽は全て抜いてしまいます。これを芽かきといいます。芽かきをしないとジャガイモは大きく育ちません。芽かきをする時は、残す芽の根元をしっかり押さえて斜めに倒すようにしながら引き抜きます。種芋や残す芽を傷つけないように、丁寧に芽をかきとります。芽をかいた後は回りの土に根元に寄せます。土寄せは芽の大きさが20cmと30cm位になった時にも行います。土寄せした後に回りにジャガイモ用の肥料を少し置いてあげるとなお良いでしょう。ジャガイモをたくさん収穫するコツは、この芽かきと土寄せにあります。

 夏が近づいてくると、ジャガイモもいろいろな病気になったり害虫がついたりします。一番被害が大きいのはニジュウヤホシテントウによる食害です。放っておくと、あっという間に葉を全部食べられてしまいます。薬によって退治する方法もありますが、薬の害もあるので先生や大人の人に相談してみることです。薬に頼らないで、見つけ次第捕まえる、という方法もあります。

 夏休みに入る頃、葉や茎が黄色くなり始めたらいよいよ収穫です。良い天気が続いた後の晴れた日中にイモを掘り起こします。雨が降ったすぐ後は、ジャガイモに水分がついてしまい、腐りやすくなります。堀り上げたあとも日陰でよく乾かします。日向に置いておくと緑色になって、食べられなくなるので注意が必要です。

 新ジャガの味は格別です。ジャガイモは管理さえ良ければ長い間貯蔵できる食品ですが、ぜひ取れたてのうちに味わってみてください。

ジャガイモの生育時期は地方によって異なるので、種イモを販売している種苗店や、学校の近くのジャガイモを栽培している農家に栽培時期などを聞くのが確実である。
ニジュウヤホシテントウの退治にはオルトランやスミチオンなどの農薬が効果的とされるが、学校での使用については様々な面で配慮することが必要と思われる。
ジャガイモが日光に当たって緑色になった部分はアルカロイドという毒性の物質である。大量に摂取すると腹痛や嘔吐などの中毒を起こすので、掘り上げたジャガイモは日光に当てないようにすることが重要である。また、栽培中も日光に当てないためにも、土寄せが非常に重要となる。

明治図書「理科がもっと面白くなる科学小話Q&A100 小学校高学年編」 200211月 Hideyuki Miura

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